黒い龍は小さな華を溺愛する。



「画像のこと……知ってたの?」


「ああ……実はちょっと前に伊田から相談されて」


「えっ伊田くん!?」


思いがけない人物に、驚いて常盤くんの顔を見上げた。

綺麗な瞳がまっすぐ私を見つめている。


あまりにも近すぎだったので再び俯いたら、常盤くんが私の顎を掴みもう一度上を向かせた。


「頼めるの俺しかいないって、切羽詰った感じでさ」


「……どういうこと?」


常盤くんの話によると、相羽くんと伊田くんは中学のころ、私とどれだけ長く付き合えるかという賭けをしていたらしい。それで勝った相羽くんは伊田くんに罰ゲームをさせたという。

それがあの画像の事件だったんだ。

相羽くんのことはもう嫌いだけど……あの時彼を信じてた私にとってはものすごく辛い事実だった。

全部ウソだったなんて。


「それで……あの画像のことも全部知ったんだね……?」


「ん。知ったときは……マジで殺したくなるくらい気が狂った」


「ぜ、絶対だめだよ!?」


「わかってる。でもそれと同じくらいのことしねーと気が治まんなくて……怖かったよな」