黒い龍は小さな華を溺愛する。


楽しかった思い出も一瞬にして壊れた。

あの日を境に……。


「そうだ……あの画像は?消してくれたの?」


「まだある……でも沙羅が俺とやり直してくれるならこれは消す。でもそうじゃないなら……」


「……そうじゃないなら?」


「常盤に画像を送る」


そう言ってあの画像を私の方に見せた。


「な……なんでそんなことするの!?」


「こんなことするくらい、沙羅のことを失いたくないんだよ!」


そう言って私の両肩を掴んできた。


「やめてっ……」


「沙羅が常盤と別れて俺とより戻すっていうまで離さない」


すごい力で自分の方に引き寄せようとしたので、私は精一杯抵抗した。

この人は全然反省なんかしていない。

どうしよう、あの画像は絶対に見られたくないのに。

でも相羽くんとまたよりを戻すなんて……


「うわ!」


その時相羽くんの襟元が引っ張られ、一瞬にして遠くに投げ飛ばされた。


「またてめぇかよ!」


常盤くんが息を荒くして私の前にいる。

幻じゃない……どうしてここにいるの!?


「常盤く……ん」


「バカか!こんなやつのとこに一人で行くんじゃねー!」


後姿だけど、ものすごい怒ってるのが声でわかる。