黒い龍は小さな華を溺愛する。


「ありえないんだけど……自分がしてきたことわかってる?」


「うん……簡単に許されることじゃないよな」


「当たり前じゃん!犯罪まがいなことしたんだよ!?」


「本当にごめん。沙羅が許してくれるまで謝る」


「今更だよ。私がどれだけ辛い思いしたと思ってるの?ずっと……信じてたのに」


「うん。本当に最低だよな俺……」


この相羽くんは本物なの?

本当に反省してるの?信じていいのかわからなくなる。


「どんなに謝られても相羽くんに対する気持ちは変わらないよ……」


「都合いいかもしれないけど……やっと気付いたんだ。沙羅を誰にも渡したくないって」


「本当、都合良すぎるから」


「沙羅と過ごした時間が楽しかったのは……嘘じゃないんだ」


そんなこと今更……。

私だって相羽くんに何度も救われた。

初めて私に手を差し伸べてくれた人だったから。

だから余計にショックだったんだ、裏切られたことが。