黒い龍は小さな華を溺愛する。


「わ……かった」


そう言うと「うん、じゃーな」とバイクをふかした。


わかったとは言ったけど、私は行くつもりでいた。

だって何の意味の偽カノなの?

少しでも常盤くんの役に立ちたいよ。

それに常盤くんに迫ってくる女の子たちのことも気になるし……。

そうだ、バレないように紫藤くんに協力してもらわなきゃ。

髪を切ったときに教えてもらった紫藤くんのLIMEに連絡をして、常盤くんとのやり取りを伝えた。


紫藤くんからは〝夕晴の気持ちもわかる〟って返ってきたけど、私の考えにも協力したいということだった。

紫藤くんも常盤くんのこと心配してたもんね……。

私達は当日に備えて作戦を立てることにした。