黒い龍は小さな華を溺愛する。


「学校のことも聞いてたら楽しそうだなって思えてきて……たまには行ってみるのもアリかなって」


「……行ってみてどうだったの?」


「最初は怖かったけど……行ってみると意外と普通に過ごせて。友達も何人かできたよ」


「そっか、よかった……」


常盤くんの力って偉大だなぁ……。

学校の先生なんかより先生に向いてるかも。


「沙羅さんは夕晴の女なの?」


「おっ……、女かぁ……一応……そうなのかな?」


偽だなんてまた状況がややこしくなるし言えない……。


「へぇ、でも沙羅さんみたいなのがいじめられるって信じられないけど」


「この前まですごい根暗な外見でね……」


「え、画像とかないの!?見たいんだけど!」


「ないない!撮った事ないもん!」


律くんは最初に会ったイメージと全然ちがくて、これが本来の彼の姿なんだろうなって思った。

打ち解けるとこんなにも話してくれる子だったんだ……。


篠原さんにも見せてあげたい。