翌日、常盤くんからきたメールはごく普通の内容で。

母の事は何も聞かれないし気にしてないみたいでほっとした。

母に色々言われる前に常盤くんのこと帰してよかったな……。

失礼なこと言いかねないもん。

そんなことを考えながら、鳳凰の暖簾をくぐった。

「こんにちは」


「お、沙羅ちゃん急にごめんなー!」


「いえ!全然です!」


常盤くんが放課後用事あるからと、今日は私が代わりにバイトに入ることになった。

メールで、一人で行けるかだなんて心配してたけど……。

なんかちょっと過保護?


「夕晴にあまり接客させるなって言われたぞー」


篠原さんが厨房で下ごしらえしながら笑っている。


「あー……常盤くん、心配しすぎですよね」


「大事に思ってるんだよ、沙羅ちゃんのこと。まぁその顔じゃ変な奴いっぱい寄ってくるからなぁ、夕晴も気が気じゃないんだろうけど」


面倒見が良い常盤くんは本当の彼女のように扱ってくれて。

本物の彼女だったらどれだけ幸せなんだろうなぁ。