ブブブ……

スマホが震え出し、机に突っ伏したまま顔だけ横に向ける。行儀悪く相手先を確認すると、高校の時の同級生で唯一親友と呼べる相手、塚本夏菜からだった。

「もしもし?」

「千咲~、調子どう?」

「どうって?」

「就活のことよ」

「あ~……」

私と違ってハキハキと話す夏菜は、面接なんてお手のものといった感じで早々に内定をもらった強者だ。もう四月から社会人としてバリバリ働いている。

一方の私はまったくと言っていいほど振るわず。もう五月も半ばだというのに、就職浪人として親のすねをかじって生きている。

「千咲の魅力をわからない企業なんて働いても無駄よ」

「そうは言うけどさ、やっぱり面接が上手くいかないもの」

「誰だって面接は緊張するわよ」

「そうかもだけどさぁ……」

夏菜は明るい声で私を励ましてくれるけど、さすがにここまで決まらないと落ち込みも激しくなる。

私はとにかく面接が苦手なのだ。

これは悪い癖だとは思っているのだが、他人からの評価が気になりすぎてそれを気にするあまり、緊張していつも上手くしゃべれない。

故に面接が上手くいかない。