◇
結局、朝、先に目を覚ましたのは俺だった。
千咲の寝相が悪かったのは転がってきた一回だけで、その後はずっと俺の腕の中で眠っている。
千咲の寝顔を堪能していると何とも幸せな気分になってくる。
まるで千咲からマイナスイオンでも出ているようなそんな感覚だ。
しばらくすると「うーん」と身じろぐ。
そしてこの状態に疑問を持ったようだ。
「誤解のないように言っておくが、これは決して寝込みを襲おうとしたわけではなく、千咲が転がってきたから受け止めただけだぞ」
「うそっ!やだ、私ったら」
「あまりにも可愛いから寝顔を見ていた」
「ひえっ!」
「まあ寝込みを襲ってもよかったんだが。千咲に嫌われたくないからな」
そう、嫌われたくないんだよ、俺は。
せっかく手に入れた幸せを手放してなるものか。
千咲は俺のものだ。
「……嫌いませんよ。だって私はずっと一成さんのことが好きだったんですから」
「またそうやって可愛い事を言う。俺を煽ってどうしたいんだ」
本当に、朝からやめてくれ。
せっかく抑えている理性がまた吹き飛んでしまうから。
これ以上可愛いことを言うな。
だが千咲は俺の期待を裏切った。
「一成さんのペットになりたい。可愛がられたいです」
千咲は卑怯だ。
何も知らないふりをして俺を煽り散らかす天才か。
それとも俺を試しているのか。
どちらにせよ答えはひとつだ。
「愛が重いと文句言うなよ。猫可愛がってやる」
いくらでも甘やかして俺なしでは生きられないようにしてやるからな。
千咲の唇を貪り喰えば、小さく漏れる吐息。
潤んだ瞳は俺への煽りか。
着崩れた浴衣は更なる煽りか。
俺の理性が持つかは時間の問題だった。
【一成side END⇒おまけの続編へ続く】
結局、朝、先に目を覚ましたのは俺だった。
千咲の寝相が悪かったのは転がってきた一回だけで、その後はずっと俺の腕の中で眠っている。
千咲の寝顔を堪能していると何とも幸せな気分になってくる。
まるで千咲からマイナスイオンでも出ているようなそんな感覚だ。
しばらくすると「うーん」と身じろぐ。
そしてこの状態に疑問を持ったようだ。
「誤解のないように言っておくが、これは決して寝込みを襲おうとしたわけではなく、千咲が転がってきたから受け止めただけだぞ」
「うそっ!やだ、私ったら」
「あまりにも可愛いから寝顔を見ていた」
「ひえっ!」
「まあ寝込みを襲ってもよかったんだが。千咲に嫌われたくないからな」
そう、嫌われたくないんだよ、俺は。
せっかく手に入れた幸せを手放してなるものか。
千咲は俺のものだ。
「……嫌いませんよ。だって私はずっと一成さんのことが好きだったんですから」
「またそうやって可愛い事を言う。俺を煽ってどうしたいんだ」
本当に、朝からやめてくれ。
せっかく抑えている理性がまた吹き飛んでしまうから。
これ以上可愛いことを言うな。
だが千咲は俺の期待を裏切った。
「一成さんのペットになりたい。可愛がられたいです」
千咲は卑怯だ。
何も知らないふりをして俺を煽り散らかす天才か。
それとも俺を試しているのか。
どちらにせよ答えはひとつだ。
「愛が重いと文句言うなよ。猫可愛がってやる」
いくらでも甘やかして俺なしでは生きられないようにしてやるからな。
千咲の唇を貪り喰えば、小さく漏れる吐息。
潤んだ瞳は俺への煽りか。
着崩れた浴衣は更なる煽りか。
俺の理性が持つかは時間の問題だった。
【一成side END⇒おまけの続編へ続く】