雲のせいでねずみ色の空を私はボーッと見ていた。
今の時間は数学だ。
別に数学が嫌いな訳じゃないし、勉強が嫌いな訳でもない。
けど今は計算も数学も、今は何も考えたくないだけだ。
「この問題を梢さん。」
先生の口から私の名前が飛び出してきた。
周りの視線も私の目だ。ドキッとして、黒板を見る。
(+5)+(−3)
余裕だ。
「+2だと思います。」
私はすごく焦った。話聞いとけばよかった……
すごく怖かったけど、周りからは、
「賛成でーす」と反応があった。
私はホッとして、ふとノートを見る。
「やべ……」
課題だけ書いて、なんにも書いてなかった。
「今日の授業はここまで。明日までに宿題やっといてね。」
先生の口からは宿題とでてきた。
どこやればいいか分かんないよ……
勉強も出来なくて、恋愛もダメで、私の気持ちは愕然とした。