私が、この世界に残したいもの。

先輩を待っている間1人で雲ひとつない青空を見上げる

「青空…」

青空と海の違い

小さい頃は何が違うのか分からなかった

どっちも青くてどこまでも続いている

2つは同じものなんだと思っていた

小さい頃家族と海に行って見た水平線が青空と繋がっていて

同じ青色をしていた

その光景に幼ながらに感動した

それから私の中で雲ひとつない青空の日は小さな幸せを感じる日だった

この青空に触れてみたい

そう思って空に手を伸ばしてみても届かない

こんなに近くに見えるのに

すっごく遠い


「ひゃっ」

ボーっと空を眺めていると突如頬に感じた暖かいもの

「なにボーとしてんだよ、ほら」

そんな先輩の手には暖かいココアが

「あ、ありがとうございます、いくらでしたか?」

「はぁ?金なんていらねーよ」

「え、でも、」

「いーから、ゆうは素直に貰っときゃいーの」

とクシャクシャと頭を撫でてくる

「先輩これやっぱり癖ですね」

「む、無意識だよ、ばーか」

「な、なんで私がバカって言われるんですかー」