クールな自称保護者様も燃える恋情は消せないようです

お兄ちゃんは呆れ果てた顔をしていた。
私に答えることなく受付の女性に「ただの勘違いです。ご迷惑おかけしました」と謝り、私を病院の外まで引っ張っていった。

「どうして? お兄ちゃん、もう怪我はだいじょ、いたっ!」

パニックになっている私の脳天に空手チョップをお見舞いして、お兄ちゃんは大きく溜息をついた。

「おまえ、人の話は最後まで聞けよ。病院に運ばれたのは、俺の同僚だ」
「え!」
「さっきの現場も落ち着いたからな。今日の勤務も終了したし、連絡を兼ねて見舞いに来たんだ。帰りが遅くなるかもしれなかったから、それでさっき連絡したんだ」

そう、だったんだ……。
拍子抜けして、力が抜けた。

「なんだ、私てっきり……。よかったぁあ」

茫然としている私を引っ張って、お兄ちゃんは止まっていたタクシーに私を押し込んだ。