あたりを見回すけど、それらしい人は見えない。でも、すでに空は真っ暗だし、万が一にでもあとをつけられたら……
「ねえ」
「きゃっ!!」
背後から声をかけられて、思わず悲鳴を上げてしまった。勢いよく振り向くと、そこにいたのは。
「驚かせちゃった? ごめん」
声をかけてきたのは、しらすさんだった。手には買い物の袋を下げている。
「大変だったね、さっきの」
「あ……こちらこそ、ありがとうございました。助かりました」
「ううん、すごいんだね。はっきり言うところ、かっこよかったよ」
「そんな。結局、私何もできなくて」
うつむいて唇をかむ。
あの中年の人、私やレジの人が若い女性だったからあんな態度だったんだ。しらすさんが来た途端、文句を言うのをやめた。
私だけじゃ、彼女を助けてあげることはできなかった。結局私たちって、若い女ってことで見下されていたんだ。
女ってだけで、どうしてあんな悔しい思いをしなきゃいけないんだろう。
「そんなことないよ。あそこで声をあげるのは、誰にでもできることじゃない。それに、少なくともあのレジの子は君に救われていた。とても、嬉しかったと思う」
私は、しらすさんを見上げる。そんな風に言ってもらえると、少し気が楽になる。
「ねえ」
「きゃっ!!」
背後から声をかけられて、思わず悲鳴を上げてしまった。勢いよく振り向くと、そこにいたのは。
「驚かせちゃった? ごめん」
声をかけてきたのは、しらすさんだった。手には買い物の袋を下げている。
「大変だったね、さっきの」
「あ……こちらこそ、ありがとうございました。助かりました」
「ううん、すごいんだね。はっきり言うところ、かっこよかったよ」
「そんな。結局、私何もできなくて」
うつむいて唇をかむ。
あの中年の人、私やレジの人が若い女性だったからあんな態度だったんだ。しらすさんが来た途端、文句を言うのをやめた。
私だけじゃ、彼女を助けてあげることはできなかった。結局私たちって、若い女ってことで見下されていたんだ。
女ってだけで、どうしてあんな悔しい思いをしなきゃいけないんだろう。
「そんなことないよ。あそこで声をあげるのは、誰にでもできることじゃない。それに、少なくともあのレジの子は君に救われていた。とても、嬉しかったと思う」
私は、しらすさんを見上げる。そんな風に言ってもらえると、少し気が楽になる。



