透き通った君に僕の初恋を捧げる


 すっかりテンションの上がっているはじめは頭をあげると自分が今取り出したカメラの説明を始めた。
 本当は自慢の一眼レフで撮りたいらしいのだが、一眼レフだと現像までに時間がかかってしまうので今回は撮影した写真がその場で出てくるインスタントカメラで撮影するらしい。

「じゃあ撮っても大丈夫?」
「お願いします!」
「大丈夫だ。」

 3・2・1・はい、チーズとシャッターボタンを押した。
 かしゃりとカメラの音がなる。はじめからは見えていないので、自分からレンズに入りに行く桔梗。
 両手をピースにしてウキウキで写真を撮られている。それを見ているだけでドキドキが止まらない。

「よし、ちょっと待って…。」

 じじじと音を立ててカメラから写真が出てくる。
 出てきた写真を一番最初に確認したはじめは、ぎゅっと唇をかみ、手で顔を隠すと天井を仰ぐ。
 そして大きく深呼吸をすると「見てくれ…。」と机の真ん中に写真を置いた。

「わぁ…!」
「これはこれは……、ばっちり写ってるね。」
「まぁ、でも。これは……。」