透き通った君に僕の初恋を捧げる


「驚かせてごめん、此奴ら俺の友達なんだ。」

 大丈夫だと桔梗が首を横に振った。
 桔梗に三人を、三人に桔梗を紹介しようとした時君の悪い違和感が身体に走った。
 三人の顔色が悪い、何か言いたそうに俺たちを見下ろしている。

「尊、誰と話してるの?」

 違和感の正体がわかったと同時に桔梗が表情を歪めた。
 絶望と悲しみとそんな負の感情を全て混ぜ合わせたような悲痛な顔だ。
 頼む、そんな顔しないでくれ。

「……見えてないのか?」

 樟葉、はじめ、シエナ。一人ずつ顔を見て確認するが全員が顔を横に振った。
 どうやら桔梗は俺にしか見えていないらしい。全身の血が引いていく音が聞こえる気がする。

「尊は何が見えてるの?」

 はじめが心配そうな顔で近づいてきた。長い付き合いだからわかる。
 ちゃかしているとか全く抜きで本気で俺を心配している時の顔だ。

「……ここにいるんだよ。」
「何が?」
「樟葉が言ってた。…その、亡くなった女子生徒が。」

 俺の言葉に三人はわかりやすくざわついてくれた。
 突然霊感もないような男からそんな事を言われたとしても受け入れられるはずがないだろう。
 黄色い救急車を呼ばれたとしても自分は正常だって自分でも言い切れる自信はない。
 特に樟葉はよほどショックだったのか俯いて震えている。
 先ほどまで不謹慎だと怒られていたのに今度は俺が言い出したんだ。
 怒っても当然だ。