「俺が由姫不足で死ぬ」

「そんなことで死なないよ……!?」


そんなことでれーくんが死んじゃったら、私……悲しくて死んじゃう……っ!


「凜ちゃんたちにも、よろしく伝えてね。あと、直接言えなくてごめんねって」

「あいつらは由姫を女神だと思ってるからな。謝らなくても許してくれるだろう」

「私が女神……っ!?」


信じられない情報を聞いてしまった……あはは。


「よし、そろそろ行かなくちゃ。またねっ、れーくん」

「あぁ、元気でな。なんかあったらすぐ連絡しろ」

「うん……っ!」


私はくるりと後ろを向いて、走り出した。

今にも、涙が溢れちゃいそうだったから……。


「ばいばいれーくん!大好きだよ……っ!!」


最後にそう言い、私はれーくんと別れを告げた――――



「由姫……!そんな顔をして!どうしたんだ!?」

「お父さん!えへへ、ちょっと友達のところに行ってきてたの。そしたらちょっと涙腺が緩くなっちゃったみたいで」


家に着くまで嗚咽をもらしながら帰っていたから、目は腫れてぱんぱん。


「ごめんなぁ、お父さんのせいで……」

「謝らないで?仕事の都合だもん!しょうがないよ……っ!」

「う、由姫~っ」

「わっ……!?」


がばっ!とお父さんが私に抱き着いていた。


「あら、由姫帰ってきたのねっ。そろそろでるわよ!」

「はぁい……っ!」


私は自分の部屋から荷物を取りに向かう。


「わぁ、部屋がからっぽ……!」


私がいない間に業者さんが来て荷物を持って行ったんだ!


「早く戻ってこれるといいなぁ……」


ぽつりとつぶやく。


「由姫ー?準備できた?」


玄関からお母さんの声が聞こえたので慌てて返事をする。


「うん!できたよっ」

「戸締りするからね、忘れ物はない?」

「ないよ」