さっきまで嬉しくてないてたのに、悲しくて泣いちゃってる……。


「急に決まったから、忙しくて……っ言えな、くて……っ」


私の涙が、れーくんの服にシミを作る。まるで、私の心に広がるわがままな気持ちみたい……。


「お父さんの、仕事の都合、でね……しょうがないのに、わがままで、私……っ」

「……ん」

「れーくんと、離れたくない……っずっと、一緒にいたいよ……っ」


口が、いうことをきいてくれない。我慢しなくちゃ、いけないのに。れーくんに、迷惑かけちゃう……。


「それは、俺もだ。由姫」

「へっ……?」


すっとれーくんが目にたまっていた涙を拭きとってくれる。


「俺だって、由姫といたい。一生を、由姫と過ごしたい……でもそれは、今じゃなくてもできるだろ?」

「え……?」

「由姫は、帰ってくるんだろ?ずっと離れるわけじゃない。だから、大丈夫だ」


れーくんの言葉に、せっかく止まっていた涙が、また流れ出す。


「由姫は泣き虫だな」

「だって……嬉しくて……っありがとう、れーくん……っ!」