廊下を歩き続けていると、しゅーちゃんが足を止めた。


「ついたぞ、由姫。ここが理事長室だ」


立派な造りの扉の前、表札にはしゅーちゃんが言うように、理事長室の文字。


「わ、なんか豪華だね……!」

「そりゃあ、理事長室だからな……失礼します。編入生を連れてきました」


こんこん、と重そうなドアをノックして、理事長室に入る。

私も、「失礼します」と言って、足を踏み入れる。

 扉の先にはクラシック調な広い一室があり、奥の席にひとりの男性が座っていた。


「初めまして、白咲由姫さん。理事長の西園寺崇仁です」

「初めまして」

「よく来てくれたね。キミのような優秀な人材が我が校に来てくれてうれしいよ。教師一同皆、歓迎している」



この人……れーくんのお父さんだ!れーくんにそっくりだもん……っ!

まさかこんな形でお話しすることになるとは……世界は狭いなぁ。


「そんなふうに言っていただけでうれしい限りです。ありがとうございます」

「どうぞ座ってくれ。キミには少しだけ、今日からの学園生活について話をさせてもらおうと思ってね」



「失礼します」と頭を下げて、ソファに座った。


わぁ、すごい部屋だなぁ……さすが国内トップの進学校……っ!