「零夜、おつかれさま!」

「ありがとう、美鈴」

「零夜の走ってる姿、その・・かっこよかった・・」

「ほんとか??」

「う、うん」

「美鈴にかっこいいって言ってもらえると、こうもうれしいんだな!!!!!!!」

「大げさだよ!!」

「あの、零夜様」

そこにいたのはさっき零夜を必死に応援していた非公認ファンクラブの人たちだった。

「あの、タオルをお持ちしました・・」

「必要ない、美鈴が汗拭いてくれたから」

その声音はとても低く、怒るような、怖いと思うような声だった。
威圧してるような・・

「あの、でも、また汗が」

「必要ないと言ってるだろ?美鈴以外の女に触れられたくないんだ、俺の逆鱗に触れる前にさっさとこの場から消えろ」

「でも・・」

「うるせぇ。てめぇら、消されてぇのか?若い女は高く売れんだよ。じゃ、ばいばい」

非公認ファンクラブの人たちはその場から消えた。

「あれ?あの人たちは?」

「美鈴が気にすることではないから大丈夫だ」

そう言って零夜は誰かに電話かけて少し話して切った。

「よし、次は美鈴の競技じゃないか?」

「あ!ほんとだ!この次だからそろそろ入り口に集合しなきゃ!零夜、行ってくるね!」

「おぅ、がんばってこいよ!」

「うん!」