<寮>
<零夜side>

「美鈴、朝だぞ」

「・・・ん・・」

ここ最近は録音機能に頼りまくりでずっと繋がりあっていた。
何回何回美鈴を抱いても美鈴が離れていくんじゃないかという不安に飲み込まれそうになった。

けど、それは美鈴も同じだったらしく、俺が八神詩乃のもとに行ってしまうんじゃないかという不安が大きかったようで、
昨日はお互い求めあいながらずっと昼夜関係なく抱きつぶしていた。

何度何度果ててもまた求める。ずっとそんな感じだった。

お互いがお互いを感じるため、存在を確認するため。

美鈴は隣でもぞもぞするが、起き上がってこない。

「美鈴??」

「零夜、起き上がれない」

声はかすれていて、やりすぎたと反省。

「すまない、昨晩はやりすぎた」

「いいよ、大丈夫。最近ずっと不安が大きかったから、零夜の『大丈夫』を行動で示してくれて嬉しかった」

そう、昨晩は言葉に言い表せない俺の気持ちを行動で美鈴にぶつけてしまった。

ほんとうに反省。

「あ、そうだ、美鈴、父さんから、もう八神詩乃は海外に永住した。もう日本には帰ってこないから、
安心して学校に行きなさい。だって!」

「もう学校に行っていいの??」

「あぁ」

「よかった、またみんなと一緒に学べるんだね!」

「あぁ。ただ、今日はお休みな」

「なんで?」

「美鈴、今声かすれてるし、第一ベッドから起き上がれないんじゃ学校にいけないだろ?」

「あ、そっか!」

「父さんが、来週から行くよう学園長に伝えてくれてるってさ!!だから、来週まではゆっくり休め」

「うん、そうする。ありがとう」


この笑顔を守れてよかったと少し安心した。

これからも俺が美鈴を守ろう。