2004年5月21日。
あるサイトが全世界に公開された。
その名は「樹海のおとしもの」。
管理人が緑が原樹海で発見した自殺者の死体、所持品、樹海の様子等の写真がたくさん公開されている。死体の写真は全て無加工で、樹海の鳥獣に喰われ腐乱したのだろうか、グロテスクなものばかりだ。
管理人「乃亜」はサイトについて、
「樹海というと静かな場所で自然と一体になって朽ち果てられるみたいなロマンチックなイメージがあるのか、自殺しようとして緑が原樹海を訪れる人は後を絶たない。きっと、自分が死んだ後、死体は腐乱し鳥獣に喰われてボロボロになるというイメージが無いのだろう。私は、実際に樹海で自殺した方々の写真を公開することで自殺を踏みとどまってくれる人が増えると信じている。自殺を考えている人は公開されている写真を見て、どうか自殺を思いとどまってほしい。」
と語っている。
しかし時が経つにつれて、サイト名「樹海のおとしもの」は検索してはいけない言葉ランキング常連の言葉となりアクセス数は減っていき、不況続きの世の中の影響もあり、自殺者は増えていった…。




そしてまた、生きていく意味を見いだせなくなり、この緑が原樹海に迷いこもうとしている男が一人_____