「この前の放送はよかったよね! めっちゃレイカナだった!」


「わかる! 突っ走っていっちゃうカナトをレイヤが手を引いて引き止めたシーンでしょ?」


「そう、それ!」


どんどん興奮してきて声が大きくなっていく。


ちなみにファンの間でレイヤとカナトの掛け合いのシーンは『レイカナ』と呼ばれている。


作品内で見られるイチャイチャシーンと言っても過言ではない。


女性ファンが多くついているアニメなどではよくある演出だ。


それにまんまとハマってしまったのが、私と桃だった。


「今日の放送もレイカナあるかなぁ?」


「どうかなぁ? あってほしいけど、先週あったから、今回は他のキャラじゃないかな?」


『ヒーロー高校極上部』はマンガや小説と言った原作がないアニメだから、展開の予測ができない。


今後マンガや小説としての出版予定もあるそうで、楽しみが耐えなかった。


いつの間にかイヤイヤで図書委員をやらされていることなどわすれて、あっという間に時間が経って、桃が帰らないと行けない時間になってしまった。


「ごめん摩耶、そろそろ帰るね」