プリンス、プリンセス決めはまず男子たちから始まった。


3年生の中で4つの指に入るイケメンたちの登場に会場内は黄色い悲鳴に包み込まれる。


とくに五十嵐浩介が白いタキシード姿で現れたときは、鼓膜が破れうかもしれないと不安になるほどの熱狂ぶりだった。


私はステージ横のテントからその様子を伺っていた。


五十嵐浩介はステージ上でも堂々と立ち振る舞っていて、自己紹介のコメントではちょっとした笑いを誘っていた。


かっこよさの中にも親しみやすさがあり、高感度は高そうだ。


「絶対に五十嵐くんだよね」


隣で同じようにステージを見ていた飯田さんが目を輝かせて言う。


彼女はブルーのドレスを身にまとっていて、まるで水の精霊のような美しさだった。


白い首筋にはラメがちりばめられていて、キラキラと輝いている。