努力の方向を間違えていれば、その夢はかなわないままだ。


私は野球部のマネージャーとして裕太と一緒にいたいの?


ただの幼馴染として一緒にいたいの?


答えはどちらともノーだった。


そんなんじゃない。


私は裕太と……。


そこまで考えて体の芯がカッと熱を持つ。


私は裕太と恋人同士になりたいんだ……!


やっとわかった自分の気持ち。


他の女子よりも裕太と仲がいいことを鼻にかけていた。


そんなことをしている間に裕太を他の女子に取られてしまったのだ。


私は冷やかされながらグラウンドを出ていく五十嵐先輩とびしょぬれのプリンセスを見送った。


ドレスは水を含んで重たそうだ。