リセット〜君を救うために、何度でも〜

後ろから肩を叩かれ、思わず「キャッ」と声が出る。

そこにいたのは、酔っ払ったサラリーマンだった。

「ヒック……ねぇ、きみさぁ、ぼくとおはなししようよ〜」

「や、やめてください。」

「そんなことわないでさぁ〜、ねぇ〜、ヒック」


お、お酒くさい……それに、私の肩にはその人の手が乗っている。振り払いたいけど、怖くてそれができない。

周りの人に助けを求めようと目線を送っても、誰も目を合わせようとはしない。
皆、自分が巻き込まれるのが嫌なのだろう。
私は、見て見ぬふりをされていた。

「あの、本当に、やめて、くだ、さい。」

「え〜なんでだよぉぉ、べつにいいじゃねぇかよぉぉ〜なぁ?」

何度もそうしているうちに、酔っ払ったサラリーマンは苛立ち始め、声が荒くなっていき、そして……

「チッ、こっちが下手に出てるからって調子に、乗りやがってっ、お前なんかっっ!!」


ドンッッ

後ろから強い力で押された私は、バランスを崩し、そのまま線路へと落ちた。