ドアの中に入った瞬間、私は浮かんでいた。 雲のすぐ下をふわふわと漂っている。 下を覗いてみれば、見覚えのある街が見える。 下に行きたい。 そう思えば、私の体は浮かびながら、ゆっくりと降りていく。 近づくにつれて、思い出す。 アイスクリーム屋さんで一緒にアイスを食べたこと、2人で言い合いながらも、笑って過ごした全ての日々を。 たくさんの思い出が蘇る。 「……いた。」 類くんはまた、悲しい顔をしている。 そういえば、類くんが笑った顔、全然見てないなぁ。 また、見たいな。