涙を流して訴える私に、
白い人は、ため息をついた。
「はぁ。そうか。なら、ひたすら歩くといい。そうすれば、いずれ現れるかもしれないよ。君が望む扉がね。」
はぁ、はぁ………
私は歩き続けた。
終わりのない部屋の中を。
いつまでも続く白を。
もしかしたら終わりなんてないのかもしれない。
それでもいい。
私は、絶対に止める。
類くんを止める。そして伝えるんだ。
どれだけ歩いたのだろうか。
私の体はお腹が空かなかった。
足だって痛くならない。
なんか、すごく不思議な感じだった。
それが逆に、私の時間を狂わせる。
分からない。私がこうしている間に、類くんは何回「リセット」と言ったのだろう。
怖い。終わりの見えないこれが。
そんな時、白い人の声が聞こえた。
「あと少しだよ。」
それからも私は歩く。歩き続ける。
すると、遠くに何かが見える。
あれは。
「ドア…だ。」



