「無駄だよ。君に、あの子を助けることはできない。」
「なんで、なんでよ!!」
白い人に掴み掛かるも、それは声を発するただの人形。私は何もすることができなくて、ただ拳をぎゅっと握りしめた。
すると、「フフフ……」とその人形から嫌な笑い声が響いた。
「ずっとここで待っていたらいいじゃないか。もしかしたら、助かるかもしれないよ。彼の命を、彼の1日を削れば、君が助かるかもしれない。それでもし彼が死んでも、君の家族や君の友達は生きている。そこでまた生きていけばいいじゃないか。」
「そんなこと…できるわけないっ!!類くんが、類くんが命を削って得た私の命なんて、これっぽっちも嬉しくはないのっ!!
私は、死んだ。それはもうどうしようもできない。だから、私は言わなきゃいけないんだ。伝えなきゃいけないんだ。
もういいんだよって。
今までありがとうって。
ずっと、大好きだよって!」



