声はうっすらとしか聞くことができなかった。スクリーンからは表情しかちゃんと見ることができなくて。
でも、類くんは叫んでいた。
何度も叫んで、悲しい顔をしていた。
皆が、私を忘れたと。
私の頬に涙がぼろぼろと溢れつたう。
それと同時に、気づいたんだ。
私は死んだ。
だから、類くんにも、家族にも、友達にも、もう会えないって。
「る、るい…くんっ」
違う、違うんだよ、類くんが怒る必要はない。
ただ、私の運が悪かっただけ。それに、皆は忘れたわけじゃない。きっと、前を向こうとしているだけ。
だから、そんなに悲しまないで。
全部1人で背負おうとしないで。
伝えたくても、私の声は嗚咽まみれで。
たとえ声に出しても、きっと類くんには聞こえない。



