「類くんっ!!!」
白い人を押し除けるようにスクリーンの前へと乗り出して類くんに向かって手を伸ばすが、私の手が類くんに触れることは無かった。
私の腕は、静かにスクリーンを通り抜ける。
「類くん、類くん!!」
何度触ろうとしても、手を伸ばしても、その手に掴む事ができない。
「ここに映っている子が、君が今、この世界に取り残されている理由だ。」
「それは、どういうことですか?」
「……それを見ていれば、分かる。」
スクリーンはずっと、私が死んだ後の類くんが起こす行動を映していた。
私の葬式で涙を流す泣く類くん、
クラスで私の席に花瓶が置かれてるのを見る類くん、
そして、いつしか花瓶が取り払われて、クラスの皆が笑い始めたのを見て顔を歪ませる類くん。



