やばい、はやく、逃げなきゃ、はやく そのとき、ふと類くんの顔が浮かぶ。 類くん、私、まだっ!!! もう、電車は目の前まで来ていた。 もう、避けられない。逃げられない。 私は、落ちた時にほどけたのであろうリボンを見つけ、咄嗟に掴む。 ごめん、ね。類……くん。 そのまま、私の息は絶えた。