「えっ、嘘……」

気づいたときには、自分の体はホームから突き落とされていた。

なんで?

咄嗟に後ろを振り向くと、さっきまで私が立っていた場所にいたのは酔っ払ったサラリーマン。

「危ない!!!」

「え?」

誰かの叫び声で我に帰ると、電車がすぐそこまで迫ってきていた。

私が乗ろうとしていた電車だ。


え、あ……まって……


足を動かそうとしたが、激痛が走って動かすことができない。腰も抜けてしまっているのか、体を動かそうと思っても動かない。


それでも私は生きたかった。


だって、まだ伝えていないから。


類くんに、「     」って。



キキィーーーーーーーーーー!!!


そう思った瞬間、電車の音とたくさんのざわめきの中で、私の息は途絶えた。