落花流水ノ情



「ほら、これで冷やしときな」

あたしは冷えたペットボトルを渡す。

「ふんっ」

「うみ!」

うみはビクッてする。

「…ねーちゃんなんかだいきらい!」

うみは走って行っちゃった。

「一人で川に入んないでよ!」

遠ざかるうみの背中に言う。

「ごめんなさい、やっぱりあたし来ない方が…」

「何言ってんの、大人数の方が楽しいよ」

「翼さん…」

みんなが優しくて泣けてくる。

「ちょ、ちょっと泣かないでよ」

神楽さんがタオルをくれる。

「うみは大丈夫だろ、寂しがりだし。ほら」

真尋さんの指さす方向を見る。

少し離れてるけど目の届くとこにちゃんとうみは居た。

よかった。