「寂しいです」

「なんで?」

「今まで毎日会ってたのにもう会う理由が無くなる…ただのファンとバンドマンに戻るんです」

「なんで?」

「だってライブ終わっちゃったから…」

「会えるじゃん、いつでも」

「でも…」

「理由なんていらねーよ」

そう言って悠生さんはあたしを抱きしめた。

絶対酔ってる。

「俺は会いたいよ」

ギュッと力が強くなった。

「ちょ、ちょっとあたしトイレッ」

「なになに、悠生何したの?」

後ろで翼さんの声がする。

何この心臓の音。

心臓が口から出て来そうだ。