南都(なつ)と付き合ってからの毎日は幸せだったが、普通科と看護科と、科が違うので、同じ学校なのに、会える事はあまりなかった…。

その頃、椿季(つばき)は席替えで、窓側の席になった。

普通科のお昼休憩のチャイムがなると、普通科の生徒は、教室から食堂や売店に移動する。

この中に南都がいるかも、と外を見てニヤニヤするのが椿季の毎日の日課だった。

ある日、南都にひとめぼれした学校行事で仲良くなった普通科の女の子・朱寧(あかね)に、廊下ですれ違った。

「あ、椿季~!
タッキー、教室にいたよ?」

椿季を見て、ニコニコと笑う朱寧はとても可愛かった。

南都は滝川(たきがわ)と言う苗字で、タッキーと呼ばれていた。