浅葱の姫。

永倉様は一人で泣いてらっしゃる。

「とりあえず入りましょう。」

沖田様にそう言われ、

お店の中に入った。

「わぁ·····。」

淡い桃色の着物が置かれていた。

「お嬢ちゃんにそれは買えないよ。」

お店の人にそんなことを言われた。

「新品ですね。」

沖田様が仰った。

新品の何がダメなんだろう?

私は頭を回転させた。

そういえば庶民は

古着を着るらしい。