浅葱の姫。

沖田様はそう言って

頭を撫でてくださった。

頭を撫でてもらうなんて

何年ぶりだろう。

溢れそうな涙を堪え

私は笑顔で言った。

「ありがとうございます。」

これが私には精一杯だった。

でも大変なのはここからだった。

「まずは台所で

朝餉の準備です。

料理は出来ますか?」

「·····包丁を触ったこともありません。」