浅葱の姫。

「私は会いたくもありません。

早く帰ってください。」

そう言って沖田様に背中を向ける。

「ならば何故泣いているのですか?」

沖田様はそう言った。

やめて欲しい。

涙が止まらなくなるから。

沖田様は私の腕を引いた。

私は沖田様と向き合う形になった。

「·····着物、お似合いですね。」

褒められた。

褒められるのは嬉しいけど、

嫌いな家の着物なんて

着ていたくない。