神殺しのクロノスタシスⅣ

「リリスに出会えてなかったら、僕はずっと一人ぼっちだった。今も…誰とも心を通わせることも出来ずに、孤独に彷徨っていたでしょう」

「…」

「リリスに出会えたから、僕は自分の人生に価値を見出だせた。あなたに会って、あなたと共に生きて…初めて、生まれてきて良かったと思えたんです」

こんな命にも、価値があると思えたのは。

それは、リリスが僕の世界に、息を吹き込んでくれたから。

そのお陰で僕は今日も、世界が色づいて見える。

モノクロだった世界に、命が宿ったのだ。

「これまでのことも、これから先、どんなことが起こったとしても。あなたと出会ったことを、後悔したりなんかしない。僕はリリスに出会えて幸せです」

「…ナジュ君…」

「分かりました?」

と聞くと、リリスはしばしポカーンとして。

それから、堪えきれなくなったように笑い出した。

あら、素敵な笑顔。

「ナジュ君たら。よく覚えてるなー」

「リリスとのことなら、何でも覚えてますよ」

「そっかそっかー。もー、ナジュ君好き!」

「えぇ、僕も好きです」




馬鹿みたいだと思うでしょう?

現実でさえない精神世界で、こんな会話を交わして。

ここで何を話そうと、現実でいくら友達を作ろうと、僕の問題は何も解決しない。

犯した罪は消えない。死んで楽になることも出来ない。

相変わらず死ぬことの出来ない日々。死にたがりの日々。死に焦がれる日々。

何も変わらない。

お互いの傷を舐め合い、気を逸らすことで、一時的に現実逃避しているに過ぎない。

本当馬鹿みたいだ。

でも、それでも今、僕は。