「ナジュ君…」
「どうです?…つまらなかったでしょう?」
学校が休みの日曜日。
暇潰しにと、保健室にいる天音さんを訪ねてみたら。
不意に天音さんから、
「ナジュ君の昔の話が聞きたい」との要望を受け。
暇だし、ここいらで自分の人生を振り返ってみるのも良いか…と思って。
ダラダラと、語ってみた次第である。
やっぱりつまんなかったな。
つまんないかなーと思いながら話してみたけど、案の定だった。
まぁ、あれですよ。
僕の人生って、そんなエンターテイメントじゃないんで。
そもそも、聞いてて面白い過去話を持ってる人なんて、そうそういないだろう。
大抵つまんないものですよ。他人の人生なんて。
自分でもつまんないのに、他人が聞いたらもっとつまらないだろう。
しかし。
「そんなことないよ」
天音さんは優しいから、どんなに内心つまんねーなーと思ってても、こう言うんですよね。
試しに心の中を覗いてみると。
…本当に「つまらなくなんてない」と思ってて、かなりびっくりした。
天音さん、あなたの前世は菩薩か何かですか?
前世からして悪行ばかり積んできた僕とは、魂の格が違うな。
あなたは良い人ですよ、全く。
世の中が天音さんみたいな、良い人ばかりで溢れていたらなぁ。
荒んだ僕の心も、少しは慰められただろうに。
「…想像はしてたけど…。大変だったんだね、ナジュ君」
天音さんは、ポツリとそう言った。
ここまでの、長々とした僕の一連の過去話を。
「大変」の二文字で終わらせるとは。
さすがですね。
「そりゃまぁ、大変ではありましたけど…」
自分が大変な状況にあると、気付けないほどには…大変だったな。
でも。
「大変じゃない人って、います?順風満帆に、誰にもケチつけられない真っ当な人生送ってきた人なんて、まずいないでしょう」
皆何かしら、あるもんだよ。
読心魔法を使える僕が言うんだから、間違いない。
清廉潔白で、善行だけ積んで、一等賞だけを取ってきた、人生の優等生なんていませんよ。
もしいたとして、そいつの人生ほどつまらないものはない。
人生なんてものは、醜ければ醜いほど、価値のあるものなんだよ。
それだけ色んな苦労を経験してきたってことだから。
…あれ?そう思えば、僕の人生も結構価値のあるものなのでは?
いや、僕は何もしてないから。ただの死にたがりだから。
やっぱりつまんないです。
「そうかもしれないけど…ナジュ君、これまで…一人で、凄く頑張ってたんだね」
「…」
「偉いね。頑張って生きて…。偉いと思うよ」
…頑張って生きて…も何も。
死ねないんだから仕方ない。
天音さんが言いたいのは、そういうことじゃないんだろうけど。
それに…。
「あなたは、僕の人生を褒めちゃ駄目でしょう」
「何で?」
「何でって、それは…。僕はあなたの大切なものを奪って…」
忘れたとは言わせませんよ。
僕は自分の身勝手の為に、天音さんの大切なものを奪い、殺したのだ。
その罪は永遠に消えない。
それなのに、天音さんは。
「それとこれとは別の話でしょ」
良いんですか?別の話にしちゃって。
調子狂うなぁ、相変わらず…。
「どうです?…つまらなかったでしょう?」
学校が休みの日曜日。
暇潰しにと、保健室にいる天音さんを訪ねてみたら。
不意に天音さんから、
「ナジュ君の昔の話が聞きたい」との要望を受け。
暇だし、ここいらで自分の人生を振り返ってみるのも良いか…と思って。
ダラダラと、語ってみた次第である。
やっぱりつまんなかったな。
つまんないかなーと思いながら話してみたけど、案の定だった。
まぁ、あれですよ。
僕の人生って、そんなエンターテイメントじゃないんで。
そもそも、聞いてて面白い過去話を持ってる人なんて、そうそういないだろう。
大抵つまんないものですよ。他人の人生なんて。
自分でもつまんないのに、他人が聞いたらもっとつまらないだろう。
しかし。
「そんなことないよ」
天音さんは優しいから、どんなに内心つまんねーなーと思ってても、こう言うんですよね。
試しに心の中を覗いてみると。
…本当に「つまらなくなんてない」と思ってて、かなりびっくりした。
天音さん、あなたの前世は菩薩か何かですか?
前世からして悪行ばかり積んできた僕とは、魂の格が違うな。
あなたは良い人ですよ、全く。
世の中が天音さんみたいな、良い人ばかりで溢れていたらなぁ。
荒んだ僕の心も、少しは慰められただろうに。
「…想像はしてたけど…。大変だったんだね、ナジュ君」
天音さんは、ポツリとそう言った。
ここまでの、長々とした僕の一連の過去話を。
「大変」の二文字で終わらせるとは。
さすがですね。
「そりゃまぁ、大変ではありましたけど…」
自分が大変な状況にあると、気付けないほどには…大変だったな。
でも。
「大変じゃない人って、います?順風満帆に、誰にもケチつけられない真っ当な人生送ってきた人なんて、まずいないでしょう」
皆何かしら、あるもんだよ。
読心魔法を使える僕が言うんだから、間違いない。
清廉潔白で、善行だけ積んで、一等賞だけを取ってきた、人生の優等生なんていませんよ。
もしいたとして、そいつの人生ほどつまらないものはない。
人生なんてものは、醜ければ醜いほど、価値のあるものなんだよ。
それだけ色んな苦労を経験してきたってことだから。
…あれ?そう思えば、僕の人生も結構価値のあるものなのでは?
いや、僕は何もしてないから。ただの死にたがりだから。
やっぱりつまんないです。
「そうかもしれないけど…ナジュ君、これまで…一人で、凄く頑張ってたんだね」
「…」
「偉いね。頑張って生きて…。偉いと思うよ」
…頑張って生きて…も何も。
死ねないんだから仕方ない。
天音さんが言いたいのは、そういうことじゃないんだろうけど。
それに…。
「あなたは、僕の人生を褒めちゃ駄目でしょう」
「何で?」
「何でって、それは…。僕はあなたの大切なものを奪って…」
忘れたとは言わせませんよ。
僕は自分の身勝手の為に、天音さんの大切なものを奪い、殺したのだ。
その罪は永遠に消えない。
それなのに、天音さんは。
「それとこれとは別の話でしょ」
良いんですか?別の話にしちゃって。
調子狂うなぁ、相変わらず…。


