…あの後、あの戦場が一体どうなったのか、僕は見ていないんです。
融合してからしばらく、僕は意識を失っていたらしくて。
気がついたら、目が覚めたら…。
そこは、誰もいない、何もない荒れ果てた更地になっていた。
いつの間にか、戦闘は終わっていた。
しばし呆然として、それから自分の姿を見て、今度は唖然としました。
自分は確かに死んだはずなのに、生きている。
はみ出した骨も、内臓も、綺麗に修復している。
おまけに、常に枯渇寸前だった魔力も、たっぷり補填されているんです。
全ては、冥界の女王であるリリスと融合した結果なんですが。
そのとき僕は、まだ気づいていなかった。
いや、本当は気づいてたんです。自分の魂の中に、リリスの気配を感じていた。
これがどういうことなのか、分からない僕じゃなかった。
でも、認めたくなかった。
絶対に認めたくなかった。
リリスが、もう。
この世にいない。僕の身体の中に吸収されて、二度と会うことが出来ないなんて。
それでも、認めない訳にはいかなかった。
だって、リリスが傍にいなかったから。
五歳かそこらのときに契約して、それからずっと、片時も離れず僕の傍にいてくれたリリスが。
何処を見渡しても、何処にもいなかった。
名前を呼んでも。どれだけ呼んでも、リリスは姿を現さない。
誰か見知った顔がいないか、せめて味方の誰かが生き残っていないかと、焼け跡を彷徨うようにして歩いた。
でも、誰の姿も見つけられなかった。
時折、味方のものらしき軍服の切れっ端が目に入って、その度に見なかった振りをした。
よろよろと歩いて歩いて、そして僕は、味方陣地…だったはずの場所に辿り着いた。
そこには、何もなかった。
負傷した魔導師は皆ここに収容されていた。仲間がいるはずだった。
でも、何もなかったんです。
人がいないだけじゃない。味方の…陣地ごと、建物ごと、消え去っていた。
徹底的に爆撃され、破壊されていた。
そのときに気づいたんです。
あぁ、僕達は負けたんだ、と。
僕が落とされ、リリスが落とされ…その結果、屋台骨を失った魔導師陣営は蹂躙され、全滅した。
誰も生き残っていない。
リリスさえも。
生き残ったのは、僕一人だけなんだ。
僕を生かす為に、リリスは犠牲になったんだ。
そう気づいて、僕を支える何物もなくなりました。
その場に崩れ落ちて、僕は一人、喉が焼けるほど慟哭した。
その声に、誰かが気づくことはありませんでした。
融合してからしばらく、僕は意識を失っていたらしくて。
気がついたら、目が覚めたら…。
そこは、誰もいない、何もない荒れ果てた更地になっていた。
いつの間にか、戦闘は終わっていた。
しばし呆然として、それから自分の姿を見て、今度は唖然としました。
自分は確かに死んだはずなのに、生きている。
はみ出した骨も、内臓も、綺麗に修復している。
おまけに、常に枯渇寸前だった魔力も、たっぷり補填されているんです。
全ては、冥界の女王であるリリスと融合した結果なんですが。
そのとき僕は、まだ気づいていなかった。
いや、本当は気づいてたんです。自分の魂の中に、リリスの気配を感じていた。
これがどういうことなのか、分からない僕じゃなかった。
でも、認めたくなかった。
絶対に認めたくなかった。
リリスが、もう。
この世にいない。僕の身体の中に吸収されて、二度と会うことが出来ないなんて。
それでも、認めない訳にはいかなかった。
だって、リリスが傍にいなかったから。
五歳かそこらのときに契約して、それからずっと、片時も離れず僕の傍にいてくれたリリスが。
何処を見渡しても、何処にもいなかった。
名前を呼んでも。どれだけ呼んでも、リリスは姿を現さない。
誰か見知った顔がいないか、せめて味方の誰かが生き残っていないかと、焼け跡を彷徨うようにして歩いた。
でも、誰の姿も見つけられなかった。
時折、味方のものらしき軍服の切れっ端が目に入って、その度に見なかった振りをした。
よろよろと歩いて歩いて、そして僕は、味方陣地…だったはずの場所に辿り着いた。
そこには、何もなかった。
負傷した魔導師は皆ここに収容されていた。仲間がいるはずだった。
でも、何もなかったんです。
人がいないだけじゃない。味方の…陣地ごと、建物ごと、消え去っていた。
徹底的に爆撃され、破壊されていた。
そのときに気づいたんです。
あぁ、僕達は負けたんだ、と。
僕が落とされ、リリスが落とされ…その結果、屋台骨を失った魔導師陣営は蹂躙され、全滅した。
誰も生き残っていない。
リリスさえも。
生き残ったのは、僕一人だけなんだ。
僕を生かす為に、リリスは犠牲になったんだ。
そう気づいて、僕を支える何物もなくなりました。
その場に崩れ落ちて、僕は一人、喉が焼けるほど慟哭した。
その声に、誰かが気づくことはありませんでした。


