油断していた訳じゃないんです。
ただもう、身体が限界だった。
あの頃の僕は、今みたいに不死身じゃありませんしね。
普通の肉体を持った、ただの人間でしたし。
こちらは魔法が使えるとはいえ、敵はほぼ全員が特攻を仕掛けてくる。
その状況で、読心魔法なんか使えても大して役に立ちません。
皆突っ込んでくるんだから。心を読むまでもない。
精神面ではまだ何とか耐えていても、身体が限界なんじゃ、どうしようもない。
とうとう僕は激しく被弾して、捨て身で突っ込んできた敵の砲弾に、土手っ腹持っていかれました。
リリスの悲鳴が聞こえたけれど、そのときばかりは、もう強がることさえ出来なかった。
どう見ても致命傷だった。
すぐさま医療魔導師に治してもらえれば、ワンチャン何とかなった…可能性はあるけど。
あの戦場に、まともな医療魔導師なんていなかった。
いたとしても、後方の野戦病院にいただろうし。いずれにしても、最前線にいる僕らには無縁の話だった。
もうこれで終わった。死ぬ。
そう確信があった。自分の命はここで終わりだってね。
段々と意識が薄れていって、痛みも感じなかった。
ただ、リリスが泣きながら、自分に縋っているのは見えました。
彼女は敵を迎撃することもなく、自分に砲弾が当たっても気にせず。
ただ必死に、僕に縋ってました。
「死なないで」って。「私を置いていかないで」って。
好きな女の子を泣かせた挙げ句、置き去りにするなんて最低ですよ。
それは分かっていたけど…でも、どうすることも出来なかった。
横っ腹から内臓はみ出してるのが見えてるんだから、そりゃどうしようもないですよ。
ただ、リリスを泣かせたくないなぁ、とは思ってました。
人生で最期に見るのが、好きな女の子の泣き顔だなんて。
誰だってそんなの嫌ですよね。
だから僕はあのとき、思った。
どうなっても良い。僕はどうなっても良いから。
お願いだから、リリスを泣かせないでくれ、ってね。
でも駄目だった。
僕があのとき最期に見たのは、涙を流すリリスの顔だった。
「嫌だよ、嫌だよナジュ君…!私を…こんな世界で…一人ぼっちにしないで。私を…置いていかないで」
そう言って。
リリスはあのとき、死に行く僕に「禁じ手」を使った。
そう。
リリスは僕を死なせたくないが為、一人ぼっちになりたくないが為に…僕と融合することで、僕の死を止めた。
同時に。
その瞬間を持って…僕は現在の…不老不死、不死身の身体を手に入れた。
ただもう、身体が限界だった。
あの頃の僕は、今みたいに不死身じゃありませんしね。
普通の肉体を持った、ただの人間でしたし。
こちらは魔法が使えるとはいえ、敵はほぼ全員が特攻を仕掛けてくる。
その状況で、読心魔法なんか使えても大して役に立ちません。
皆突っ込んでくるんだから。心を読むまでもない。
精神面ではまだ何とか耐えていても、身体が限界なんじゃ、どうしようもない。
とうとう僕は激しく被弾して、捨て身で突っ込んできた敵の砲弾に、土手っ腹持っていかれました。
リリスの悲鳴が聞こえたけれど、そのときばかりは、もう強がることさえ出来なかった。
どう見ても致命傷だった。
すぐさま医療魔導師に治してもらえれば、ワンチャン何とかなった…可能性はあるけど。
あの戦場に、まともな医療魔導師なんていなかった。
いたとしても、後方の野戦病院にいただろうし。いずれにしても、最前線にいる僕らには無縁の話だった。
もうこれで終わった。死ぬ。
そう確信があった。自分の命はここで終わりだってね。
段々と意識が薄れていって、痛みも感じなかった。
ただ、リリスが泣きながら、自分に縋っているのは見えました。
彼女は敵を迎撃することもなく、自分に砲弾が当たっても気にせず。
ただ必死に、僕に縋ってました。
「死なないで」って。「私を置いていかないで」って。
好きな女の子を泣かせた挙げ句、置き去りにするなんて最低ですよ。
それは分かっていたけど…でも、どうすることも出来なかった。
横っ腹から内臓はみ出してるのが見えてるんだから、そりゃどうしようもないですよ。
ただ、リリスを泣かせたくないなぁ、とは思ってました。
人生で最期に見るのが、好きな女の子の泣き顔だなんて。
誰だってそんなの嫌ですよね。
だから僕はあのとき、思った。
どうなっても良い。僕はどうなっても良いから。
お願いだから、リリスを泣かせないでくれ、ってね。
でも駄目だった。
僕があのとき最期に見たのは、涙を流すリリスの顔だった。
「嫌だよ、嫌だよナジュ君…!私を…こんな世界で…一人ぼっちにしないで。私を…置いていかないで」
そう言って。
リリスはあのとき、死に行く僕に「禁じ手」を使った。
そう。
リリスは僕を死なせたくないが為、一人ぼっちになりたくないが為に…僕と融合することで、僕の死を止めた。
同時に。
その瞬間を持って…僕は現在の…不老不死、不死身の身体を手に入れた。


