神殺しのクロノスタシスⅣ

場数を重ねるごとに、僕は戦場慣れした。

段々と、心が摩耗していくようだった。

最初はあんなにビビりまくっていたのに。あれは夢だったのかってくらい。

目の前で、敵が爆発四散して死んでいく。

血と肉片が飛び散り、内臓の切れっ端が顔に飛んでくる。

それを見ても、何とも思わなくなるほどに…感覚が麻痺していくんですね。

今僕が、自分の内臓とか脳みそを見ても少しも動じないのは、

あれは、僕が不死身になって、自分の内臓を見慣れたからじゃなくて。

あの戦争に参加した時点で、耐性が出来てたんですよ。

更に僕は、積極的に戦争に参加するようになった。

最初の頃は、僕はリリスに魔力を提供し、彼女の傍についているだけだったけど。

すぐにそれはやめた。

僕も、リリスと同じように戦うようになった。

戦力が不足していたからでもあるけど、それ以上に。

リリスだけに、戦場を任せることは出来ない。

その思いから、僕も同じく戦った。

自分は守られて、リリスだけに手を汚させるなんて…そんなことは僕が許せなかった。

手を汚すなら、罪を重ねるなら、僕も一緒だ。

リリスを一人にはしない。

僕の戦力なんて、リリスに比べたら足元にも及ばないけれど。

でも、雑兵を蹴散らすくらいは出来る。

読心魔法は、当時から使えましたからね。

僕はリリスと共に、地獄の戦場を駆けた。

リリスは、僕が戦うことに反対していたけど。

「ナジュ君が戦うことなんてない」と、何度言ったことか。

好きな女の子の頼みだけど、それだけは聞けなかった。

好きな女の子だからこそ、リリスだけに全てを任せる訳にはいかなかった。

リリスに比べたら僕は、へなちょこ魔導師も良いところだけど。

ただ守られているだけなんて、自分で自分を許せない。

いつ来るかわからない増援を待ちながら。

そもそも、来るのかどうかもわからない増援を。

むしろ、増援が来たのは非魔導師陣営の方だった。

恐れていたことが起きたのだ。

リリスという恐ろしい魔物がいる、ということが敵に知れ渡り。

非魔導師陣営は、戦力を増強して、リリスを潰しにかかってきた。

リリスだけでは、手に余るようになってきた。

こうなってくるとますます、僕だけがぬくぬくとリリスに守られている訳にはいかなくなった。

せめて露払いくらいは、僕がやらなければ。

毎日が、血みどろの戦争だった。