こうして僕達は、戦場の最前線に送られることになった。
戦局は良くないと聞いていたから、それなりの覚悟はしていたけど。
それでも、僕が最前線で見たものは、地獄以外の何物でもなかった。
それはもう酷い戦場でした。
綺麗な戦場もなかなかないと思いますけど。
それにしたって、あれは酷かった。
特に僕が送られた前線は、兵を激しく消耗し、疲れ果て、徐々に後退を余儀なくされている戦場で。
僕はそこに送られ、前線を支え、一気に攻勢に持ち込むのが狙いだった。
冥界の女王であるリリスの力があれば、それくらい訳ないだろうと。
完全に、上の人の皮算用だった。
当時、召喚魔導師の数はごく少数で、仲間内でさえその力はあまり知られていなかった。
だから、勝手に戦力を過大に見立てられてたんでしょうね。
上の人は勿論、現場で戦っている魔導師達にとってもそうだった。
僕とリリスだけで、戦局を覆すことが出来ると固く信じていた。
と言うか、信じたかったんだと思う。
戦局は、あまりに惨状を極めていたから。
何でも良いから、誰でも良いから、縋れるものには縋りたかったんだろう。
それで縋られる方は、たまったものじゃない。
僕は前線に着くなり、すぐさま戦場のど真ん中に配属された。
追撃してくる非魔導師を、リリスの力で一網打尽にして黙らせ。
怪我をした味方を一度後退させて、戦線を立て直す役割だ。
超重要な役割ですよね。
そんな役割を、戦場に来たばかりの、しかも、まだ成人もしてない小僧の両肩に託すなんて。
全く、どうかしてますよあの戦場は。今になって振り返ってそう思う。
でもあのときは、そんなこと考えている余裕はなかった。
命令を受けているそのときも、各地で爆撃を受けていた。
魔導師陣営の陣地は、地震でも起きているかのようにぐらぐら揺れていた。
立っているのも覚束無いほどだった。
心の準備をする時間もなく、僕は前線に送り届けられた。
初めての本物の戦場に、さすがの僕も臆しましたよ。
これはマジでヤバいと思いましたよ。
あの頃の僕は、まだウブな少年でしたからね。
いや、今も心だけはウブな少年ですけど。
目の前に爆弾が飛んできて、それによって細切れにされた味方の肉片が飛んできたり。
爆薬をコートみたいに身体に巻き付けて、雄叫びをあげながら、阿修羅みたいな形相で突進してきたりするのを見たら。
そりゃあ、足も竦むってものでしょう。
あれを見て、最初から平然としていられる人がいたら、それはもう生粋のサイコパスですよ。
僕には無理だった。
でも、だからってビビっている暇もなかった。
急がなきゃ、味方全滅ですからね。
味方には誰一人知り合いはいなかったけど、それでも味方であることには変わりない。
一人でも多く、助けられるものなら助けたいですよ。
でも、足が竦んで動けなかった。
初めて見る戦場で、本能的に現実逃避しようとする脳みそに無理矢理、これは現実なのだと叩き込もうとしている間にも。
味方は一人また一人と吹っ飛んでいって、血まみれの肉の塊になっていく。
立ち尽くしている僕の代わりに、動いてくれたのはリリスだった。
「大丈夫だよ、ナジュ君…。私が守ってあげるからね」
あの戦場で何度も、呪文のように繰り返したリリスの言葉。
その言葉と共に、リリスは戦場に降り立った。
戦局は良くないと聞いていたから、それなりの覚悟はしていたけど。
それでも、僕が最前線で見たものは、地獄以外の何物でもなかった。
それはもう酷い戦場でした。
綺麗な戦場もなかなかないと思いますけど。
それにしたって、あれは酷かった。
特に僕が送られた前線は、兵を激しく消耗し、疲れ果て、徐々に後退を余儀なくされている戦場で。
僕はそこに送られ、前線を支え、一気に攻勢に持ち込むのが狙いだった。
冥界の女王であるリリスの力があれば、それくらい訳ないだろうと。
完全に、上の人の皮算用だった。
当時、召喚魔導師の数はごく少数で、仲間内でさえその力はあまり知られていなかった。
だから、勝手に戦力を過大に見立てられてたんでしょうね。
上の人は勿論、現場で戦っている魔導師達にとってもそうだった。
僕とリリスだけで、戦局を覆すことが出来ると固く信じていた。
と言うか、信じたかったんだと思う。
戦局は、あまりに惨状を極めていたから。
何でも良いから、誰でも良いから、縋れるものには縋りたかったんだろう。
それで縋られる方は、たまったものじゃない。
僕は前線に着くなり、すぐさま戦場のど真ん中に配属された。
追撃してくる非魔導師を、リリスの力で一網打尽にして黙らせ。
怪我をした味方を一度後退させて、戦線を立て直す役割だ。
超重要な役割ですよね。
そんな役割を、戦場に来たばかりの、しかも、まだ成人もしてない小僧の両肩に託すなんて。
全く、どうかしてますよあの戦場は。今になって振り返ってそう思う。
でもあのときは、そんなこと考えている余裕はなかった。
命令を受けているそのときも、各地で爆撃を受けていた。
魔導師陣営の陣地は、地震でも起きているかのようにぐらぐら揺れていた。
立っているのも覚束無いほどだった。
心の準備をする時間もなく、僕は前線に送り届けられた。
初めての本物の戦場に、さすがの僕も臆しましたよ。
これはマジでヤバいと思いましたよ。
あの頃の僕は、まだウブな少年でしたからね。
いや、今も心だけはウブな少年ですけど。
目の前に爆弾が飛んできて、それによって細切れにされた味方の肉片が飛んできたり。
爆薬をコートみたいに身体に巻き付けて、雄叫びをあげながら、阿修羅みたいな形相で突進してきたりするのを見たら。
そりゃあ、足も竦むってものでしょう。
あれを見て、最初から平然としていられる人がいたら、それはもう生粋のサイコパスですよ。
僕には無理だった。
でも、だからってビビっている暇もなかった。
急がなきゃ、味方全滅ですからね。
味方には誰一人知り合いはいなかったけど、それでも味方であることには変わりない。
一人でも多く、助けられるものなら助けたいですよ。
でも、足が竦んで動けなかった。
初めて見る戦場で、本能的に現実逃避しようとする脳みそに無理矢理、これは現実なのだと叩き込もうとしている間にも。
味方は一人また一人と吹っ飛んでいって、血まみれの肉の塊になっていく。
立ち尽くしている僕の代わりに、動いてくれたのはリリスだった。
「大丈夫だよ、ナジュ君…。私が守ってあげるからね」
あの戦場で何度も、呪文のように繰り返したリリスの言葉。
その言葉と共に、リリスは戦場に降り立った。


