あの戦争の中に、「講話」の二文字は存在しなかった。
どちらかの陣営に平和主義者がいれば、話は違っていたのかもしれないが。
少なくとも僕がいた頃、あの世界では両陣営共に、お互いを深く憎み合っていた。
魔導師は自分達こそ新人類で、旧人類である非魔導師は、自分達より劣っている存在だと自惚れていたのだから。
当然、非魔導師と対等のテーブルについて交渉、なんて有り得ないことだった。
誰が、猿やオランウータンと同じ席について話をするか、ってね。
一方の非魔導師も、魔導師なんか人間じゃない、怪物の類だと思っているから。
怪獣や恐竜と交渉なんて出来ない、との姿勢を崩さない。
お互い人間なんですけどね。そんな簡単なことさえ気づかなかったんでしょうね。
顔を見れば、大して自分と違いないってことくらい、分かるはずなんですけど。
あなたはこんな話、嫌いですよね。不快でしょう?やめましょうか?
…あぁ、そうですか。分かりました。
じゃあ、まぁ続けましょうか。
こうして、戦争が長引けば長引くほど、お互い因縁も増えて、憎しみも増えて、許せなくなっていって。
どちらかが全滅するまでは終わらない、酷い戦争が続いていた訳だが。
段々と悪化していく戦局に、魔導師の国は焦りを見せ始めた。
とは言っても、それは魔導師陣営が負けそうになっていたのではない。
消耗し、疲弊しているのは、両陣営共に同じだった。
その時点で、お互い争うのをやめれば良かったものを。
コンコルド効果と言うか、ここまで戦争の沼に足を突っ込んでしまった以上、引っ込みがつかなくなったと言うか。
お互いに「この戦争はどちらかが滅ぶまで終わらない」と宣言しているものだから、今更やめますとは言い出せない。
そんなことを言ったら、負けたことになってしまう。
だからお互い、向こうの陣営が降参してくれれば良いのに、と思いつつ。
残り少なくなった自軍の戦力を、じわじわと消費し続けていたのだ。
そんな折だった。
当時まだ学生だった僕に、軍からの徴兵命令が届いたのは。
どちらかの陣営に平和主義者がいれば、話は違っていたのかもしれないが。
少なくとも僕がいた頃、あの世界では両陣営共に、お互いを深く憎み合っていた。
魔導師は自分達こそ新人類で、旧人類である非魔導師は、自分達より劣っている存在だと自惚れていたのだから。
当然、非魔導師と対等のテーブルについて交渉、なんて有り得ないことだった。
誰が、猿やオランウータンと同じ席について話をするか、ってね。
一方の非魔導師も、魔導師なんか人間じゃない、怪物の類だと思っているから。
怪獣や恐竜と交渉なんて出来ない、との姿勢を崩さない。
お互い人間なんですけどね。そんな簡単なことさえ気づかなかったんでしょうね。
顔を見れば、大して自分と違いないってことくらい、分かるはずなんですけど。
あなたはこんな話、嫌いですよね。不快でしょう?やめましょうか?
…あぁ、そうですか。分かりました。
じゃあ、まぁ続けましょうか。
こうして、戦争が長引けば長引くほど、お互い因縁も増えて、憎しみも増えて、許せなくなっていって。
どちらかが全滅するまでは終わらない、酷い戦争が続いていた訳だが。
段々と悪化していく戦局に、魔導師の国は焦りを見せ始めた。
とは言っても、それは魔導師陣営が負けそうになっていたのではない。
消耗し、疲弊しているのは、両陣営共に同じだった。
その時点で、お互い争うのをやめれば良かったものを。
コンコルド効果と言うか、ここまで戦争の沼に足を突っ込んでしまった以上、引っ込みがつかなくなったと言うか。
お互いに「この戦争はどちらかが滅ぶまで終わらない」と宣言しているものだから、今更やめますとは言い出せない。
そんなことを言ったら、負けたことになってしまう。
だからお互い、向こうの陣営が降参してくれれば良いのに、と思いつつ。
残り少なくなった自軍の戦力を、じわじわと消費し続けていたのだ。
そんな折だった。
当時まだ学生だった僕に、軍からの徴兵命令が届いたのは。


