僕は、幼い頃の記憶がない。
いつかのように記憶喪失って訳じゃなくて、元々記憶に残ってないのだ。
リリスと会うまでの、僕のことは。
いや、全く覚えていない訳じゃないんですが。
でも、それは断片的で…。記憶と言うより、情報として知ってると言った方が正しい。
生まれたときから両親がいなくて、兄弟もいなくて。
気がついたら、親族の家に引き取られて、そこで暮らしていた。
どんな繋がりのある家族だったのか…。叔父なのか叔母なのか、従兄弟なのか…多分叔父だったと思うんだけど。
直接聞いたことがないし、わざわざ聞くほど興味もなかったんですよね。
自分と一緒に暮らしてる家族なのに、よくもあれほど無関心でいられたものだ、と今となっては思いますけど。
興味なかったんです、本当に。
家族の方も、僕に興味なかったみたいだし。
むしろ邪魔者扱いって言うか…穀潰しの厄介者扱いだったんですよね。
実際、血の繋がりも怪しい僕なんて、邪魔でしかなかったんでしょうけど。
…え?寂しくなかったかって?
本当にお人好しですね、あなたは…。
別に寂しくなんかない。生まれたときからそうだったんだから。
他の家庭を知らないんだから、何とも思わない。
赤ん坊のときから檻の中で育てられた子供が、外の世界を知らない子供が、自分を不幸だとは思わないように。
僕はあの家族しか知らなかったから、自分の受けている扱いを不等だとも、不満だとも思わなかった。
でも、まぁ…楽しい日々ではなかった。
だからでしょうね。記憶に残ってないのは。
…いや、本当は、覚えてたのかもしれない。
覚えていたけど…彼女に。
リリスに会ってからの日々が、あまりにも毎日幸せで…幸福で…満たされていて…。
だから、それ以前の記憶が薄れて、自然に忘れてしまったんじゃないかと思う。
…まぁ、要するに。
リリスと会う以前の記憶なんて、僕にとって、覚えておく意味も価値もない日々だったってことですね。
…え、両親のことですか?
さぁ…。いたんでしょうかね?何処かに…。
聞いてみたこともないんですよね…。僕は、両親は死んだものと勝手に思ってましたけど…。
もしかしたら何処かで生きていて、何らかの事情で僕と一緒に暮らせなかっただけで。
僕は単に、しばらくの間、親戚の家に預けられていただけなのかも。
それは分からないですね。今となっては。
多分、もう生きてはいないでしょうし。
あ、そうか。
でも僕には魔導適性があるし、この魔導適性が、もし両親から受け継いだものなのだとしたら。
両親は、まだ何処かで生きてるかもしれないですね。
いや…探してみたいとは思わない。
生きていたとしても、僕の生きていたあの世界では、魔導師は非常に生きにくい状況にありましたし。
例え、万が一、両親が僕を探していたとしても。
僕は、誰かに堂々と顔を見せられるほど、立派な人間じゃありませんから。
もし両親がいたとしても、大量殺人犯になった息子に会って喜ぶとは思えない。
…まぁ、そうですね。あなたはそう言いますけど。
いずれにしても、僕は昔から家族に興味がないし…。それは多分、これからも変わらないでしょう。
いつかのように記憶喪失って訳じゃなくて、元々記憶に残ってないのだ。
リリスと会うまでの、僕のことは。
いや、全く覚えていない訳じゃないんですが。
でも、それは断片的で…。記憶と言うより、情報として知ってると言った方が正しい。
生まれたときから両親がいなくて、兄弟もいなくて。
気がついたら、親族の家に引き取られて、そこで暮らしていた。
どんな繋がりのある家族だったのか…。叔父なのか叔母なのか、従兄弟なのか…多分叔父だったと思うんだけど。
直接聞いたことがないし、わざわざ聞くほど興味もなかったんですよね。
自分と一緒に暮らしてる家族なのに、よくもあれほど無関心でいられたものだ、と今となっては思いますけど。
興味なかったんです、本当に。
家族の方も、僕に興味なかったみたいだし。
むしろ邪魔者扱いって言うか…穀潰しの厄介者扱いだったんですよね。
実際、血の繋がりも怪しい僕なんて、邪魔でしかなかったんでしょうけど。
…え?寂しくなかったかって?
本当にお人好しですね、あなたは…。
別に寂しくなんかない。生まれたときからそうだったんだから。
他の家庭を知らないんだから、何とも思わない。
赤ん坊のときから檻の中で育てられた子供が、外の世界を知らない子供が、自分を不幸だとは思わないように。
僕はあの家族しか知らなかったから、自分の受けている扱いを不等だとも、不満だとも思わなかった。
でも、まぁ…楽しい日々ではなかった。
だからでしょうね。記憶に残ってないのは。
…いや、本当は、覚えてたのかもしれない。
覚えていたけど…彼女に。
リリスに会ってからの日々が、あまりにも毎日幸せで…幸福で…満たされていて…。
だから、それ以前の記憶が薄れて、自然に忘れてしまったんじゃないかと思う。
…まぁ、要するに。
リリスと会う以前の記憶なんて、僕にとって、覚えておく意味も価値もない日々だったってことですね。
…え、両親のことですか?
さぁ…。いたんでしょうかね?何処かに…。
聞いてみたこともないんですよね…。僕は、両親は死んだものと勝手に思ってましたけど…。
もしかしたら何処かで生きていて、何らかの事情で僕と一緒に暮らせなかっただけで。
僕は単に、しばらくの間、親戚の家に預けられていただけなのかも。
それは分からないですね。今となっては。
多分、もう生きてはいないでしょうし。
あ、そうか。
でも僕には魔導適性があるし、この魔導適性が、もし両親から受け継いだものなのだとしたら。
両親は、まだ何処かで生きてるかもしれないですね。
いや…探してみたいとは思わない。
生きていたとしても、僕の生きていたあの世界では、魔導師は非常に生きにくい状況にありましたし。
例え、万が一、両親が僕を探していたとしても。
僕は、誰かに堂々と顔を見せられるほど、立派な人間じゃありませんから。
もし両親がいたとしても、大量殺人犯になった息子に会って喜ぶとは思えない。
…まぁ、そうですね。あなたはそう言いますけど。
いずれにしても、僕は昔から家族に興味がないし…。それは多分、これからも変わらないでしょう。


