…でもさ。
ちょっと冷静に考えてみたら。
「ツキナのその夢、いちご畑ってさ」
「んんー?」
「別に将来の夢にしなくても、今実現可能なんじゃないの?」
畑なら、ここにあるじゃん。
いつも他の野菜を植えてるみたいに、今あるこの土地に、いちごの苗を植えれば良いのでは?
それでいちご畑完成。
これじゃ駄目なの?
「無理だよぅ。うちの園芸部には、見渡す限りの土地なんてないもん」
成程。
ツキナの夢って、妙に詳細なところあるよね。
夢は大きく、ってね。
見渡す限りの広大な土地か…。それはまず、土地を用意するところから始めなきゃならないなぁ…。
そこを耕すのも大変そうだ。
「それに、いちごを育てるのって、結構大変なんだよ」
「え、そーなの?」
「うん」
園芸部の部長で、様々な野菜や花をたくさん育ててきたツキナが、「大変だ」って言うのだ。
いちごとやら、結構な曲者であるらしい。
さすが、ツキナの夢になるだけのことはある。
「虫もいっぱい来るし、鳥さんもいっぱい来るし、色んな動物が食べに来るんだよ」
「へぇ〜…」
奴ら、人間様の収穫を勝手に横取りして掠め取ろうという腹か。
獣畜生の分際で、良い度胸してんじゃん。
しかし、そういうことなら心配は要らない。
「大丈夫だよツキナ。俺が糸魔法使って、動物は絶対入れないようトラップを仕掛けておいてあげる」
「え?すぐり君そんなこと出来るの?」
きらんきらん、と目を輝かせるツキナ。
お、めっちゃ可愛いぞ。
「よゆーだよ、それくらい」
何せ、俺の糸魔法は、あっさり人を殺せるほどの殺傷能力を誇るからね。
害獣を撃退することくらい、訳ない。
「でもでも、畑広いよ?全部守れる?」
「葉っぱ一枚とて、ツキナの大事ないちご畑を荒させないよ」
「やったー!すぐり君凄い!」
よし。
これで、さりげなくツキナの夢に、俺を便乗させることに成功。
ツキナが夢を叶える瞬間なら、俺もいないと駄目だよね〜。
「すぐり君がいてくれるなら、いちご畑の夢も夢じゃないかも!」
「うんうん。出来る出来る。問題は土地だね〜」
「土地か〜…。よーし。じゃあ大きくなったらお金を貯めて、広い土地を買って、そこでいちご畑を育てよう!それが私の夢だ!」
壮大だなぁ。
それって結局、魔導師は副業じゃないの?
と思ったけど、まぁ口には出さなかった。
俺もツキナの夢に乗っかることが出来るんならそれで良いよ、俺は。
ちょっと冷静に考えてみたら。
「ツキナのその夢、いちご畑ってさ」
「んんー?」
「別に将来の夢にしなくても、今実現可能なんじゃないの?」
畑なら、ここにあるじゃん。
いつも他の野菜を植えてるみたいに、今あるこの土地に、いちごの苗を植えれば良いのでは?
それでいちご畑完成。
これじゃ駄目なの?
「無理だよぅ。うちの園芸部には、見渡す限りの土地なんてないもん」
成程。
ツキナの夢って、妙に詳細なところあるよね。
夢は大きく、ってね。
見渡す限りの広大な土地か…。それはまず、土地を用意するところから始めなきゃならないなぁ…。
そこを耕すのも大変そうだ。
「それに、いちごを育てるのって、結構大変なんだよ」
「え、そーなの?」
「うん」
園芸部の部長で、様々な野菜や花をたくさん育ててきたツキナが、「大変だ」って言うのだ。
いちごとやら、結構な曲者であるらしい。
さすが、ツキナの夢になるだけのことはある。
「虫もいっぱい来るし、鳥さんもいっぱい来るし、色んな動物が食べに来るんだよ」
「へぇ〜…」
奴ら、人間様の収穫を勝手に横取りして掠め取ろうという腹か。
獣畜生の分際で、良い度胸してんじゃん。
しかし、そういうことなら心配は要らない。
「大丈夫だよツキナ。俺が糸魔法使って、動物は絶対入れないようトラップを仕掛けておいてあげる」
「え?すぐり君そんなこと出来るの?」
きらんきらん、と目を輝かせるツキナ。
お、めっちゃ可愛いぞ。
「よゆーだよ、それくらい」
何せ、俺の糸魔法は、あっさり人を殺せるほどの殺傷能力を誇るからね。
害獣を撃退することくらい、訳ない。
「でもでも、畑広いよ?全部守れる?」
「葉っぱ一枚とて、ツキナの大事ないちご畑を荒させないよ」
「やったー!すぐり君凄い!」
よし。
これで、さりげなくツキナの夢に、俺を便乗させることに成功。
ツキナが夢を叶える瞬間なら、俺もいないと駄目だよね〜。
「すぐり君がいてくれるなら、いちご畑の夢も夢じゃないかも!」
「うんうん。出来る出来る。問題は土地だね〜」
「土地か〜…。よーし。じゃあ大きくなったらお金を貯めて、広い土地を買って、そこでいちご畑を育てよう!それが私の夢だ!」
壮大だなぁ。
それって結局、魔導師は副業じゃないの?
と思ったけど、まぁ口には出さなかった。
俺もツキナの夢に乗っかることが出来るんならそれで良いよ、俺は。


