神殺しのクロノスタシスⅣ

「イレースせんせーがさ、言ってたじゃん。将来の夢について作文書きなさいーって」

「うぉぉぉ!そうであったかー!」

何で武士風なの?

この様子だと、聞くまでもなくツキナはまだ、小論文には手を付けていないようだな。

まー、俺もなんだけど?

そもそも小論文って何?

作文でしょ?要するに。

俺、生まれてこの方、作文って書いたことないんだけど。

どーやって書けば良いんだろーなー。

それに、何より…。

…何について書けば良いのか、全然分かんないや。

何だ?将来の夢って。

「ツキナは、何書くか決めたの?」

参考までに、まずツキナの将来の夢を聞いてみる。

「うーん…。そうであるなー。拙者はやはり…うむ、あの夢を皆の者に語るときが来たようだ」

え、あの夢?

ツキナには、そんな、長年温めてきた夢があるのか。

めっちゃ興味あるなー。

凄い武士風なんだけど、何で?

「何々?どんな夢があるの?ツキナは」

「お、知りたいか?拙者の夢を知りたいか小僧」

「うん、小僧超知りたい」

白馬の王子様とお花畑云々だったら、俺は泣くよ。

そしてナジュせんせーに泣きつく。

しかし。

「では教えてやろう…特別だぞ?」

「うん分かった。特別ね」

「拙者…いちご畑を育てたい」

武士とは全く、程遠い夢だった。

むしろめっちゃ可愛いんですけど?これもう、どーしてくれんの?