すると。
「それはどうなのかな…」
天音が、ちょっぴり懸念を示した。
だよな。
それがナジュの、永遠の命題だってことは分かってるが。
だからって、学生らしい夢を語るであろう生徒達を横目に。
「将来の夢は死ぬことです(キリッ)」って、それはどうなんだ。
教師陣は、生徒の前で発表することはない。
教師は教師の前で発表するので、俺達の将来の夢を、生徒が聞くことはない。
だから、ナジュのその「将来の夢」は…教員達なら皆知っている。けれども。
だからって、将来の夢=死って、それは如何なものか。
「他にないの?死ぬ以外の夢…」
「え?難しいこと聞きますね」
むしろ、真っ先に死が出てくる方が難しいだろう。
大抵の人にとって、死は誰にでも待っているものだからな。
わざわざ将来の夢にするのは、ナジュくらいだ。
「もっと健全な、将来の夢はない?」
「健全…!?」
そんな目を見開かなくても良いだろ。
「仕方ありませんね…。天音さんに免じて、僕は新たな夢を見ることにします」
「う、うん。宜しく。どんな夢を見るの?」
「イーニシュフェルト魔導学院1の、イケメンカリスマ教師になります」
別に新しくねーじゃん。
前々から、事あるごとに言ってるじゃん。
「そ、そっか…。それは良い夢だと思うよ」
天音。無理して褒めなくても良いんだぞ。
むしろ苦言を呈して良い。「それはやめておいたら?」とか。
まぁ、死ぬことよりは随分とマシだけど。
「そう言う天音は、将来の夢って何なんだ?」
「え?あ、えっと…実は、ちょっと考えてることがあって」
ほう?
それは是非聞いてみたい。
「聞いても良いか?どんなこと考えてるのか」
「出来るかどうかは分からないけど…」
「あくまで目標だからな。出来る出来ないは別の話で良いだろ」
ナジュのイケメンカリスマ教師とやらも、実現不可能だろうし。
「え?何で実現不可能なんですか。実現出来ますよ」
うるせぇ。
「やっぱり僕、一応養護教員だから。生徒の健康管理と体力増進を目指して、色んなキャンペーンを始めてみようかなって」
「へぇ…?」
なかなかそれっぽいな。
「例えば、どんなことするんだ?」
「今考えてるのは…風邪の予防対策かな。これから寒い時期にもなるし。手洗いうがいの徹底や、休み時間に窓を開けて、換気をする取り組みを始めてみようと思うんだ」
成程。具体的だな。
天音も色々考えてるんだなぁ。偉い。
これなら、小論文に書くことも困るまい。
「そうか…。お前は偉いな、天音…」
「い、いや。そんなことは…」
「僕も褒めてくださいよ、羽久さん」
「お前はない」
精々、自称イケメンカリスマ教師にでもなっておけ。
「それはどうなのかな…」
天音が、ちょっぴり懸念を示した。
だよな。
それがナジュの、永遠の命題だってことは分かってるが。
だからって、学生らしい夢を語るであろう生徒達を横目に。
「将来の夢は死ぬことです(キリッ)」って、それはどうなんだ。
教師陣は、生徒の前で発表することはない。
教師は教師の前で発表するので、俺達の将来の夢を、生徒が聞くことはない。
だから、ナジュのその「将来の夢」は…教員達なら皆知っている。けれども。
だからって、将来の夢=死って、それは如何なものか。
「他にないの?死ぬ以外の夢…」
「え?難しいこと聞きますね」
むしろ、真っ先に死が出てくる方が難しいだろう。
大抵の人にとって、死は誰にでも待っているものだからな。
わざわざ将来の夢にするのは、ナジュくらいだ。
「もっと健全な、将来の夢はない?」
「健全…!?」
そんな目を見開かなくても良いだろ。
「仕方ありませんね…。天音さんに免じて、僕は新たな夢を見ることにします」
「う、うん。宜しく。どんな夢を見るの?」
「イーニシュフェルト魔導学院1の、イケメンカリスマ教師になります」
別に新しくねーじゃん。
前々から、事あるごとに言ってるじゃん。
「そ、そっか…。それは良い夢だと思うよ」
天音。無理して褒めなくても良いんだぞ。
むしろ苦言を呈して良い。「それはやめておいたら?」とか。
まぁ、死ぬことよりは随分とマシだけど。
「そう言う天音は、将来の夢って何なんだ?」
「え?あ、えっと…実は、ちょっと考えてることがあって」
ほう?
それは是非聞いてみたい。
「聞いても良いか?どんなこと考えてるのか」
「出来るかどうかは分からないけど…」
「あくまで目標だからな。出来る出来ないは別の話で良いだろ」
ナジュのイケメンカリスマ教師とやらも、実現不可能だろうし。
「え?何で実現不可能なんですか。実現出来ますよ」
うるせぇ。
「やっぱり僕、一応養護教員だから。生徒の健康管理と体力増進を目指して、色んなキャンペーンを始めてみようかなって」
「へぇ…?」
なかなかそれっぽいな。
「例えば、どんなことするんだ?」
「今考えてるのは…風邪の予防対策かな。これから寒い時期にもなるし。手洗いうがいの徹底や、休み時間に窓を開けて、換気をする取り組みを始めてみようと思うんだ」
成程。具体的だな。
天音も色々考えてるんだなぁ。偉い。
これなら、小論文に書くことも困るまい。
「そうか…。お前は偉いな、天音…」
「い、いや。そんなことは…」
「僕も褒めてくださいよ、羽久さん」
「お前はない」
精々、自称イケメンカリスマ教師にでもなっておけ。


