「ユイトのクラスでは、流行ってないの?」
この、飾り生徒手帳。
「それは…流行ってはいるけど、俺はまだやってないから…」
そうなんだ。
時代の波に遅れてるんだね、ユイトは。
「だったら、僕が用意したこれ…材料の余り、使っても良いよ」
「えっ!?」
「はい」
僕は、生徒手帳カバーに飾り切れなかったデコレーションパーツの余りを、ユイトに渡した。
しかし、ユイトは呆然とするだけ。
どうしたんだろう。
「どうかした?」
「え?いや…。これ…これ、何?鳥の羽根みたいなの…入ってるけど」
「あぁ。それはカラスの羽根」
「カラスの羽根!?」
そんなにびっくりする?カラスの羽根くらいで。
その辺によく落ちてない?
まぁ、僕が今回用意してのは、落ちていたものではないけど。
「ひ、拾ったの?こんなに…。よく見つけたな…」
「ううん。捕まえた」
「!?」
「餌付きのトラップを仕掛けて捕獲して、羽根を何枚か毟って、終わったら放したんだ」
「…!カラス可哀想…!」
可哀想?何が?
折角捕まえたから、そのまま焼き鳥にして食べようかな、とも思ったんだけど。
あの日は焼き鳥の気分じゃなかったから、やめといた。
「そ、そこはさ…!羽根を使いたいんだとしても、ちゃんと既製品の…!市販で売ってるものを使おうよ」
「何で?何でも捕れたて新鮮の方が良いよ」
「そ、そんな…」
「だから、その生徒手帳カバーに使ってる素材は…全部天然物だよ」
「ひっ!」
何で怖じ気づいてるんだろう。
大したものは使ってないよ。
動物の羽根と、虫の抜け殻、拾った石と、乾燥させた葉っぱ。
そして、地面から掘り出した粘土を固めて作った、小さな粘土細工。
これらを組み合わせて、手作りの生徒手帳カバーを制作した。
我ながら良い出来だと思う。
「何でそんな…おどろおどろしいデザインなの…?」
「?僕の故郷に伝わる、魔除けのお面をモチーフにしたんだよ」
生徒手帳と言ったら、やっぱり普段持ち歩くものだから。
折角ならお守り代わりにしようと思って、魔除け効果を取り入れてみた。
これで見た目もぐんと良くなって、ついでに魔除けの効果もあるんだから。
これぞ、一石二鳥というもの。
「あとは、縁に骨を飾れば完成なんだ」
「ほ、骨…。骨って何の骨…?鶏…?」
という、ユイトの質問に答える前に。
「あ、そろそろ夜のパトロールの時間だ」
「…?」
「じゃあ、ちょっと行ってくるね」
「え?いや、消灯時間…」
ユイトが、何か言っていた気がするが。
僕は聞こえなかったことにして、部屋の窓をガラリと開け。
そこから、ぴょーんと飛び降りた。
この、飾り生徒手帳。
「それは…流行ってはいるけど、俺はまだやってないから…」
そうなんだ。
時代の波に遅れてるんだね、ユイトは。
「だったら、僕が用意したこれ…材料の余り、使っても良いよ」
「えっ!?」
「はい」
僕は、生徒手帳カバーに飾り切れなかったデコレーションパーツの余りを、ユイトに渡した。
しかし、ユイトは呆然とするだけ。
どうしたんだろう。
「どうかした?」
「え?いや…。これ…これ、何?鳥の羽根みたいなの…入ってるけど」
「あぁ。それはカラスの羽根」
「カラスの羽根!?」
そんなにびっくりする?カラスの羽根くらいで。
その辺によく落ちてない?
まぁ、僕が今回用意してのは、落ちていたものではないけど。
「ひ、拾ったの?こんなに…。よく見つけたな…」
「ううん。捕まえた」
「!?」
「餌付きのトラップを仕掛けて捕獲して、羽根を何枚か毟って、終わったら放したんだ」
「…!カラス可哀想…!」
可哀想?何が?
折角捕まえたから、そのまま焼き鳥にして食べようかな、とも思ったんだけど。
あの日は焼き鳥の気分じゃなかったから、やめといた。
「そ、そこはさ…!羽根を使いたいんだとしても、ちゃんと既製品の…!市販で売ってるものを使おうよ」
「何で?何でも捕れたて新鮮の方が良いよ」
「そ、そんな…」
「だから、その生徒手帳カバーに使ってる素材は…全部天然物だよ」
「ひっ!」
何で怖じ気づいてるんだろう。
大したものは使ってないよ。
動物の羽根と、虫の抜け殻、拾った石と、乾燥させた葉っぱ。
そして、地面から掘り出した粘土を固めて作った、小さな粘土細工。
これらを組み合わせて、手作りの生徒手帳カバーを制作した。
我ながら良い出来だと思う。
「何でそんな…おどろおどろしいデザインなの…?」
「?僕の故郷に伝わる、魔除けのお面をモチーフにしたんだよ」
生徒手帳と言ったら、やっぱり普段持ち歩くものだから。
折角ならお守り代わりにしようと思って、魔除け効果を取り入れてみた。
これで見た目もぐんと良くなって、ついでに魔除けの効果もあるんだから。
これぞ、一石二鳥というもの。
「あとは、縁に骨を飾れば完成なんだ」
「ほ、骨…。骨って何の骨…?鶏…?」
という、ユイトの質問に答える前に。
「あ、そろそろ夜のパトロールの時間だ」
「…?」
「じゃあ、ちょっと行ってくるね」
「え?いや、消灯時間…」
ユイトが、何か言っていた気がするが。
僕は聞こえなかったことにして、部屋の窓をガラリと開け。
そこから、ぴょーんと飛び降りた。


