神殺しのクロノスタシスⅣ

…と、思ったのだが。

「うん…。『白雪姫と七人の小人』については…そうするつもりなんだけど…」

何だかシルナは、歯切れの悪い返事。

…何だよ?

「…何かあるのか?」 

「…うん…」

「…」

俺は、肘を付き、のろのろと上体を起こした。

「あ、羽久起きちゃ駄目だって」

「もう平気だ」

それに、シルナのその顔を見るに。

『白雪姫と七人の小人』の騒動は終わったが…。まだ終わっていない何かが、残ってるんだろう?

だったら、のんびり寝てる訳にはいかないだろ。

シルナが背負ってることなら、俺も背負うぞ。

また一人で背負い込もうなんて、そうは行くか。

「何なんだ。まだ、何かあるのか?白雪姫復活か」

そうなれば、また俺はあのりんご砲と戦うことになるな。

しかし。

「いや、『白雪姫と七人の小人』は、私が封印する。もう、誰も手を出すことは出来ないように」

成程、それは頼もしいな。

で、白雪姫問題が片付くなら、これ以上何の問題があるんだ?
 
「なら、シルナは何に悩んでるんだ?」

「いや…私が悩んでる、って言うか…」

あ?

じゃあ誰だよ。

「さっき、羽久が眠ってる間に、珠蓮君から聞いたんだけど」

珠蓮?

悩んでるのは、珠蓮なのか。

「どうも…珠蓮君曰く、賢者の石の封印が解かれると同時に、色んな魔法道具が世の中に出待ってるらしいんだ」

…は?

それ…どういうことだ?